紺野 美沙子(こんの みさこ)さん
-- お好きな音は何ですか。また、思い出に残っている音はありますか。
自然の音が好きです。清流のせせらぎ、朝の鳥の声、風が木々を揺らす音など。UNDP親善大使の仕事でブータンに行ったとき、耳に入ってくるのはすべてナチュラルな音ばかりでした。(木々の揺れる音、動物たちの鳴き声、鳥の声など)日本(特に都心)は街中、人工的な音であふれていて疲れることがあります。 20歳の頃、NHKの朝のテレビ小説の収録のため、大阪城のお堀沿いのマンションに9カ月過ごしました。毎朝、お堀を通るポンポン船の音で目が覚めました。俳優としての本格的なスタートを切った時の懐かしい音の思い出です。
-- 紺野様にとって、「聞こえる」ということはどんなことでしょうか。また、「聞こえる」ことの幸せを感じるのはどんな時ですか。
「思いが通じあう」「同じ時間を共有できる」ということでしょうか。
美しい言葉や音楽を耳にした時、心のこもった言葉を受け取ることができた時、聞こえることの幸せを感じます。
-- 聞こえに困っている人に対してのメッセージをお願いします。また、『みみから。』のこうした活動に対してのメッセージをいただけますと幸いです。
年齢を重ねることや、病によって、「聞こえ」の質が低下することは誰にでも起こりうることだと思います。最初は難しいかもしれませんが、少しでも前向きに考えられるといいですね。「みみから」の活動も、周囲の皆さんの理解を深めていくことが何より大事。その意味で私が関わっている国際協力の活動や、心豊かなひとときを提供する「朗読座」も同じです。地道に、仲間を増やして参りましょう。
紺野 美沙子(こんの みさこ)
俳優・国連開発計画(UNDP)親善大使。東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1980年NHK連続テレビ小説「虹を織る」のヒロイン役で人気を博す。テレビ・映画・舞台に活躍する一方、1998年から国連開発計画親善大使として、カンボジア・パレスチナ・タンザニア・東ティモール他、アジア・ アフリカの各国を視察するなど国際協力の分野でも活動中。近著に、親善大使として訪れた国や人々について綴った「ラララ親善大使」(小学館刊)が ある。