突発性難聴とは
働き盛りの40~60代の人に多くみられますが、幅広い年代で起こりえます。
突発性難聴の原因については、不明とされています。ウィルスの感染が原因だとする説や、血流が妨げられ内耳に充分血液が行き渡らないことによる機能不全を原因とする説などがあります。突発性難聴を誘発する原因として考えられているものとして、以下のものがあります。
生活習慣病は、その病気自体が難聴を引き起こすわけではなく、病気から発生する血流障害が原因になると考えられています。血流障害が起こると、内耳がダメージを受け、突発性難聴になる可能性が高まるということです。
突発性難聴には、似た症状の疾患があります。そのため、ほかの疾患の可能性がないか調べるために問診や検査を行います。突発性難聴の診断で行われる検査には以下のようなものがありますが、行う検査は症状などに応じて医師の判断によります。
突発性難聴との区別が必要な疾患について説明します。
突発性難聴は、早期の治療と安静がとても重要です。重度の場合は入院して治療するのが望ましいとされます。一般的には発症してから1週間以内に治療されれば、治癒の確率は高いとされていますが、それ以降は徐々に確率が落ち、2週間を過ぎると治癒の確率は大幅に下がるといわれています。発症から1カ月以上経過してしまうと、聴力が低下した状態が固定されてしまうため、回復が難しくなってしまいます。突発性難聴の治療は、内服薬あるいは点滴により行なわれます。薬は主にステロイド剤を用います。他にも血液の循環をよくする薬や、高圧酸素療法などが用いられることもあります。
日本国内の突発性難聴の患者数は年間約7万5000人といわれています。そのうち元通りに回復するのは、わずか3分の1というデータもあります。片耳の聴力を失ってしまう人も少なくありません。一般的には40~60代に多く見られ、男女差はないようです。最近では、ミュージシャンや歌手が突発性難聴に悩んでいるというニュースも多く見受けられるように、現代人にとって無視できない危険な難聴だということができます。